2014年11月3日(月)の患者会での講演内容

  1. 長期(2年以上)イマチニブを飲んでおられる患者さんのデータを調べた結果をHepatogastroenterology 2014 (135)に報告しました。
    1. 血中濃度の中央値は約1100ng/mlで最低値は約400ng/mlでした。
    2. 特に長く(5年以上)イマチニブを飲んでおられる患者さんの血中濃度の中央値は1000ng/mlで最低値は約800ng/ml以上でした。
    3. 2年以上イマチニブを内服している患者さんで、体表面積が1.5㎡以下の患者さんはすべて3錠に減量していました。
  2. 血中濃度だけで臨床判断はできません。副作用や治療効果などと合わせて総合的な判断が必要です。
  3. 欧米では手術で取りきれたGIST患者さんは高リスクのみならず中リスクも術後補助化学療法の適応と考えられるようになってきました。
  4. iPadでは、手術10年後の再発リスクを示すContour mapのアプリがでています。
  5. 病理診断において、新しい顕微鏡では視野角が広くなるため、新しい顕微鏡ではより高いリスクに分類される可能性があります。今後、視野あたりではなく一定の面積あたりに変更するなど基準作りが必要です。

2015年3月29日(日)の患者会の報告

  1. 愛知県がんセンター国際交流センター視聴覚室で開催されました。
  2. 講師は藤田保健衛生大学上部消化管外科の稲葉一樹先生でした。GISTや胃癌などの消化器がんの外科治療の専門家である稲葉先生に「GISTに対する外科的治療戦略」について講演いただきました。ご講演は下記の内容に関するものでした。
    1. 転移のないGISTに対する最新の腹腔鏡手術について
    2. 術後再発およびイマチニブ投与後のイマチニブ耐性GISTに対する外科治療の役割について
  3. 頂いた質問で、個別の内容でない回答を以下に挙げます。
    • イマチニブの血中濃度は、定常状態における血中濃度の最低値を指しています。具体的にはイマチニブを飲む直前で一番低いときの血中濃度です。
    • GISTのガイドラインではイマチニブの血中濃度は推奨度のグレードC2(科学的根拠がなく、行わないように勧められる)です。したがって、血中濃度は診療の参考になる可能性があるというお話です。
    • 2015年3月現在において、GISTに対してグリベックの後発品は保険適応がありません。GISTに対して保険が認められている薬剤はグリベックのみです。後発品も成分は同じであるため同様の効果が期待されますが、適応外使用となります。
    • 転移性GISTに対しては薬物治療が基本的な治療になりますが、外科切除に加えてラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓術なども実施されることもあります。



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